病院で働いていると、1度や2度は転職を考えたことはありませんか?
転職理由は様々だと思いますが、
このように考えている人は、企業で治験業務に携わることができるCRAへの転職がおすすめです。
実際、私は臨床検査技師として5年以上働いた後にCRAに転職したことで、様々なメリットがあったと実感しています。
ここでは以下の項目について、私の実体験を交えながらご紹介します!
それでは早速みていきましょう!
CRAってどんな仕事?
CRAはClinical Research Associateの略で、臨床開発モニターとも呼びます。
CRAの仕事は、新薬開発には欠かせない治験(臨床開発試験)が適切に行われているかをモニタリングする仕事です。
CRAの多くはCROに所属し、製薬会社と病院との間の橋渡し的な役割として、治験の進行を管理します。
とてもざっくりとした説明ですが、治験業界と関わりがない人からするとなんのこっちゃかわかりませんよね?
私も転職する前は、CRAだのCROだの似たような言葉が多くて何だかよくわかりませんでした…
今回は詳細について書くと長くなりますので、後日別記事にて載せたいと思います!
CRAに向いている人
CRAに転職を考える上でここはかなり重要なポイントです。
というのも、臨床検査技師とCRAとでは仕事内容や働き方が全く異なるので、向いている人と向いていない人がはっきりと別れます。
CRAにいざ転職してみたら、「こんなはずじゃなかった…」とならないように、しっかりと確認しておきましょう!
仕事内容の変化を好む
自己管理・スケジュール管理が得意
出張・外勤が好き(もしくは苦ではない)
英語アレルギーがない(得意なら◎)
それでは順番に解説していきます。
仕事内容の変化を好む
私の主観ですが、臨床検査技師として働いていた時よりも、CRAの仕事内容はとても多いです。
以下にCRAの仕事の大枠を簡単に示します。
・治験を実施するための医療機関・医師の選定
・治験実施依頼・契約手続き
・症例報告書の回収
・各種手順書・報告書の作成
・治験終了手続き
今回はそれぞれの詳細についての説明は割愛しますが、これらの仕事の中身を細分化していくと更に多くの業務があります。
私が臨床検査技師の時は、1つ、2つの検査を極めていくような仕事でした。
そのため、毎日同じようなルーチンをこなしていました。(ちなみに私は血液検査と輸血検査がメインでした)
しかし、CRAは日々新しい業務や未知の業務が降ってくるので、
「マルチタスクなら自信がある!」
「毎日同じ仕事だと飽きる」
「臨機応変に働くのは得意!」
こんな人にはうってつけだと思います!
自己管理・スケジュール管理が得意
CRAは仕事内容がとても多いと言いましたが、やはりその分、業務量も多いです。
それぞれの業務には納期があるので、優先順位をつけて、それぞれ納期に遅れないよう逆算してスケジュール管理をする必要があります。
こんなの社会人として当然でしょ!
なーんて声も聞こえてきそうですが、これがそう簡単ではないのです。
なぜなら、我々のような臨床検査技師から転職してくる「中途社員」は、業界未経験であっても、社会を経験しているということから、手取り足取り教えてくれるようなことはありません。
なので、今自分がやるべき業務も未知の業務が多いため、
「この仕事はどれくらい時間がかかるんだ?」
「そもそもこの仕事はどのように進めていくのか?」
「治験独特の用語が多くて調べるのも時間がかかる…」
などなど、仕事のスケジュール管理は最初のうちはとても苦労します。
私はそもそもスケジュール管理が得意ではなかったので、慣れるまではかなり苦労しました…
しかし、スケジュール管理が得意な人、苦ではない人であれば、転職後もストレスなく適応できることが考えられるので、CRAとして必要な要素を備えているといえるでしょう!
出張・外勤が好き(もしくは苦ではない)
これまで臨床検査技師として働いている方であれば、出張という機会はほとんどありませんよね?
しかし、CRAの仕事では出張に行く機会が非常に多くあります。
出張先は、北は北海道から南は沖縄まで、場合によっては海外に行く機会もあるかもしれません。
出張頻度は自分の受け持つ担当施設数や、治験の進捗段階にもよります。
最低でも1カ月に1度はあると考えていいでしょう。
転職してから数カ月は研修があるので、すぐに出張することはありません!
これらを知ったうえで、
「出張には抵抗がないよ」
「日本各地に行ってみたい!」
「アウトドア派です」
このような人なら、会社のお金で日本中を飛び回れるCRAはとても向いているのではないでしょうか。
反対にインドア派であったり、ずっと同じ場所で仕事をしていたい方には少し大変かもしれませんね。
(ちなみに私はインドア派でしたが…笑)
英語アレルギーがない(得意なら◎)
みなさんは英語に対してアレルギーがありますか?
脅かすわけではないのですが、これからCRAになろうと考えているならば、英語はどうしても切っては離せません。
なぜなら、現在CROが受注している案件は海外の案件が多くを占めており、CRAは必然的に英語力が要求されています。
CRAが要求される英語力は、最低限の読み書きができれば上出来です!
リーダーになると海外クライアントとの会議などでスピーキング能力も必要となる場合があります。
ここまで見ると不安になる方もいるかもしれませんが、安心してください!
「英語ができない=CRAに向いていない」という訳ではありません。
試験によっては英語が必要ない国内の案件であったり、海外の案件でも日本人が対応してくれる場合があります。
また、英語ができないCRAが多くいることも事実なので、転職してから勉強しても全く問題ありません。
「英語はそんなに苦手じゃないよ!」
「将来は英語で会議とかしてみたい!」
こんな方であれば、CRAに向いているだけでなく、英語力が高い人材として将来重宝されるかもしれませんね。
ちなみに私は、CRAに転職すると決めてからTOEICの勉強を開始し、現在のスコアは795点となっています。
CRAに限らず、転職する際に英語力の指標となる資格で有名なのが「TOEIC」ですね。
冒頭でもお話した通り、CRAは英語力を求められるので、転職の際などにこのような英語資格を持っているとかなり強みになります。
出典:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会‐英語活用実態調査2019(企業・団体)
グローバル化が進んでいる現代では、企業からも英語力が求められていることがわかります。
実際、私の転職時の面接官はTOEICスコアに対する食いつきが良かったです笑
なので、もし英語の勉強を始めたいけど何をやればいいか分からない…という方はTOEICの勉強がオススメです!
私の最初のスコアは430点でした。
勉強すれば英語力は上がっていくので頑張りましょう!
CRAに転職するメリット5選
さて、いよいよ本題です。
ここでは私が実際にCRAに転職してみて感じたメリットについてご紹介します。
それぞれ順番にご紹介していきます。
1.年収が上がる
みなさんはここが一番気になるのではないでしょうか?
臨床検査技師とCRAで年収がどれほど変わるのか見ていきましょう。
上の表は厚生労働相の「令和5年賃金構造基本統計調査」による臨床検査技師の年代別の平均年収の推移です。
続いて、CRAの平均年収を見ていきましょう。
こちらはCRAばんくさんが調査したCRAの年代別の平均年収の推移となります。
両者を比較するとこのようになります。
年代 | 臨床検査技師 | CRA |
---|---|---|
20代 | 368万円 | 521万円 |
30代 | 491万円 | 628万円 |
40代 | 568万円 | 788万円 |
50代 | 621万円 | 849万円 |
※臨床検査技師の年収は、厚生労働相の「令和5年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、それぞれの年代の前後半を平均化しています。
いかがでしょうか?
あくまで参考程度にはなりますが、客観的にCRAの方が年収が高いことがわかりますね。
そして、注目すべきは年収の上がり幅に大きな差が見て取れます。
私は、実際にCRAに転職したことで年収が約70〜80万円上がりました!
今よりも高い年収を得たいと考えている方にはCRAへの転職は大きなメリットになりそうですね!
2.柔軟な働き方ができる
私的にはこれがダントツ1番のメリットだったといっても過言ではありません。
CRAが働く会社(CROや製薬メーカー)では以下のような働き方が可能です。
フレックス・リモート制度
フリーアドレス制度
外勤時以外は私服でOK(オフィスカジュアルを含む)
土日祝日が休み+有休が取得しやすい
これ、非常にありがたくないですか?
臨床検査技師は当直、日直などがあるため、土日が毎週休みなだけで最高ですよね!
それに加え、シフト制ではないので有休も自分の裁量で取得できます。
私が勤めていた病院は有休がかなり取りづらい雰囲気でした…
ワークライフバランスを重視する人には必須条件ですね!
フレックスタイム・リモート制度
フレックスタイム制度は毎日の始業・終業時刻、労働時間を自分で調整できる制度です。
コアタイムと呼ばれる会社毎に定められた時刻に働いてさえいれば、あとは自分で好きなように働けます。
コアタイムなしのフルフレックス制度を敷いている会社もあります。
リモート制度は、会社以外の場所で働くことができる制度です。
これも臨床検査技師では絶対にできない働き方なので、柔軟に働きたい人にはおすすめですね。
フリーアドレス制度
フリーアドレス制度とは、自分の席が決まっておらず、会社のどこで仕事をしてもOKという制度。
その日の気分で場所を変えて仕事ができるのは何気に良いものですよ。
会社によっては席が決まっている場合もあるので要チェックです!
外勤時以外は私服でOK(オフィスカジュアルを含む)
これは会社によっても異なりますが、今時はスーツで出社する方が珍しいかもしれません。
もちろん外勤の際はスーツを着る必要がありますが、基本的には自由な服装でいられるのはとても楽ですね。
逆に、私服を選ぶのが面倒でスーツを着ている人もいました。
自分にとって楽な服装が一番ですね!
3.ビジネスパーソンとして成長できる
病院と企業とでは求められるスキルが全く異なります。
私が最初に転職してから最初に躓いたのは、プリンターの使い方でした。
他にもMicrosoft Office関連のソフトの扱いやビジネスメールの書き方、名刺の渡し方など挙げればキリがありません。
逆に言えば、それらのビジネスに必要な能力はCRAであれば一通り経験することができます。
ビジネススキルを上げていけば、他の企業でも働くことが可能となるため、キャリアはさらに広がるでしょう。
4.キャリアパスが広がる
CRAは治験をモニタリングするお仕事ですが、治験は他にもたくさんの職種の人が関わることで成り立っています。
例としてCRO(医薬品開発業務受託機関)ではCRA以外に以下の職種があります。
PMS(Post Marketing Surveillance)
QC(Quality Control)
RA(Regulatory Affairs)
etc…
英語ばかりでわかりづらいかもしれませんが、治験にはいろいろな職種が関わり合って成り立っていることがわかりますね。
CRAとして働きながら、上記のような仕事に興味があれば、社内での異動や転職でキャリアを変えることも可能です!
5.臨床検査技師の経験が活かせる
最後になりますが、CRAに転職した場合、臨床検査技師の経験を活かすことができます。
ただし、私個人の考えでは臨床検査技師の経験を活かせる場面はそこまで多くはありません。
例でいうと以下のような場面が考えられます。
病院内の雰囲気がわかる
医師や看護師、CRCとのコミュニケーション経験が活きる
医療の知識が活かせる
どこのサイトでも書いてあるようなことですが、実際私も経験が活きたのはこれぐらいでしょうか…
しかし、CRAには文系出身者もいますので、医療の知識に長けていることはアドバンテージになると考えて良いでしょう。
検査データ関連で同じチームメンバーから頼りにされることもありました!
まとめ
今回は臨床検査技師がCRAに転職するメリットについて5つご紹介しました。
- 年収が上がる
- 柔軟な働き方ができる
- ビジネスパーソンとして成長できる
- キャリアパスが広がる
- 臨床検査技師の経験が活かせる
もし、臨床検査技師としてのキャリアに不安があったり、転職を視野に入れている場合は選択肢の1つになるかと思います!
今回の記事がCRAに興味のある方の参考になればうれしいです。
自分にとって後悔のないキャリアを進んでいきましょう!
それでは!